ヴァイオリンの音で踊る日本舞踊 〜うぐいすと想い
始まりは、異国の地から届いたメッセージ
皆様、こんにちは。
日本舞踊家の藤間翔央です。
2019年7月、こんなメッセージが届きました。
「私は現在ウィーンでヴァイオリン留学しております。
クラシックを長く学んでいく中で、また日本を外から見たことにより、崇高で凛とした美しさのある日本の伝統文化を、海外の方にももっともっと知ってもらいたいと思うようになりました。
そこで西洋のヴァイオリンと日本の舞踊をコラボさせて日本や海外で公演をしたいと思い、ご連絡させて頂きました。」
海を越えてこのメッセージをくださったのは、ヴァイオリン奏者でウィーン留学中の今村恵理さん。1ヶ月後、ヴァイオリンのケースを抱え、ピンクのワンピースで稽古場にいらしてくださった今村さんの第一印象は、「物静か」でした。
品のある物腰にヴァイオリンがよく似合っていましたが、実際に演奏を聞かせていただくと、そののびやかで力強い音色に驚いたのを覚えています。
さらに今回どんな思いでメッセージをくださったのか、なぜ日本文化に興味を持ち、どんなことをしていきたいのか、色々お話していくうちに、日本文化とのコラボレーションへの熱い想いが今村さんの印象を上書きし、「強い想いを持っている方だなあ」というイメージに変わっていきました。
今村さんのご紹介で箏奏者の生田流師範、大塚千栄子さんともご縁をいただき、出会いから約半年後に出来上がったのが、今回ご紹介する「うぐいす」と「想い」という作品です。
世界中の人にむけて、三人でヴァイオリン、箏、日本舞踊のそれぞれの良さをどのように表現したら良いか、色々話し合いながら練り上げました。
私が教えている日本舞踊は、江戸時代、出雲の阿国(おくに)の「かぶき踊り」を祖とする歌舞伎から生まれた踊りです。
舞台芸術として育まれてきた日本舞踊は、三味線や囃子の音色に合わせて上演され、人から人へと伝わるなかで磨き抜かれた演出方法と、着物や日本人の体型を美しく見せられる型を持ち合わせています。
古典作品では役柄に合わせた衣装やかつらを使用しますが、今回は海外からも評価が高い振袖を用いて、「うぐいす」では、「初春」「初恋」といったイメージを元に、初春に咲く梅の木を飛び回るウグイスの姿を、今村さん作曲の「想い」では、戦争に苦しむ人々への祈りや平和への願い、希望といった想いを表現しました。
お家で過ごす時間のお供に、ぜひ、お楽しみいただければ幸いです!
◆◇◆「うぐいす」◆◇◆
◆◇◆「想い」◆◇◆
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