今、もっとも輝く実力派の舞踊家が集う!国立劇場主催「名作 歌舞伎舞踊」
江戸時代から伝わるおおらかで華やかな舞踊の数々
みなさまこんにちは、日本舞踊家の藤間恵都子です。今回は、国立劇場主催の舞踊公演「名作 歌舞伎舞踊」のご案内です。
この公演は、江戸の大らかさを色濃く残している歌舞伎舞踊(かぶきぶよう:歌舞伎の舞踊演目から独立するなど、歌舞伎から派生した舞踊)を集めた公演です。
出演はおなじみの舞踊家たち。西川箕乃助さん、市川ぼたんさん、若柳吉蔵さん、市山松扇さん、花柳基さん、水木佑歌さん、花柳寿楽さん。今、最も充実している日本舞踊家たちです!
日本舞踊には本当に沢山の魅力があります。私は“間(ま)”の魅力がたまらなく好きですし、ある人は、江戸人になり切れるのが好きといいます。
歌舞伎はもともと、江戸時代の庶民の娯楽として多くの人に親しまれ、伝わって来たもの。みなさまにも、リラックスして舞台に広がる幻想的な世界を楽しみ、日本舞踊の魅力を発掘して頂きたいと思います!是非!!会場にお越しくださいませ。
◎これぞにっぽん! 長唄「正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)」
曽我兄弟の仇討ち(あだうち)を題材にした踊りです。兄の十郎に後れをとり、焦って敵陣に乗り込もうとする弟・五郎を、「止めた~」と艶っぽくもキリリっと止める女性・舞鶴。「離せ~」と豪快なわんぱく小僧・五郎との引っ張り合い・・・・
まあ、お話は単純ではありますが、大きな富士山を背景に“これぞ、にっぽん!!”の風情の舞台です。
◎雷つづき? 清元(きよもと)「流星(りゅうせい)」&常磐津(ときわづ)「雷船頭(かみなりせんどう)」
七夕と言えば、一年に一度、彦星と織姫が待ちに待ったデートの日。それなのに何とも無粋!
「ご注進 ご注進~~(今ならニュースニュース!!と言ったところ?)」と 夜這い星がやって来ます。かみなり夫婦が大喧嘩、その様子をご注進に。夫婦、子供に婆かみなりまで、一人で4役を踊り分け、言いたい事が終わった暁には、じゃ、さよなら・・・と、又雲に乗って大空へ・・・
次は雷続きで、「雷船頭」。
大川というのは今の隅田川。その川岸に船頭が客待ちしていると、俄雨に落っこちた雷一匹。江戸じゃ、相撲取り、火消、に並ぶ人気者の粋な船頭と無粋な雷のやり取りが、実に面白い作品です。
◎踊る錦絵! 常磐津「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」
今公演の大切りは、常磐津節の大曲 通称「関の扉(せきのと)」です。
本来は歌舞伎狂言の中の一場面なのです。お家騒動などの複雑な筋が絡んで、ちょっとややこしいというか、あまり筋は判然としないのですが・・・。
ここは逢坂の関。真冬なのに何故か櫻(さくら)がさいています。登場人物は、六歌仙で名高い大伴黒主。ここでは天下をねらう大罪人になっています。
前半は、この人物を軸に、良岑宗貞(よしみねむねさだ)(のちの僧正 遍照(そうじょう へんじょう))と小野小町が絡みます。
百人一首の世界では振られている遍照と小町は、ここでは元恋人・・・。この恋人たちのやり取りの中で、悪だくみの様子をちょいっとのぞかせて・・・・ムフフ、とさりげなく去っていく黒主。
私は今回、この小野小町姫を踊らせていただきますので、お楽しみに!
さて後半は、黒主によって落命した宗貞の弟の恋人、実はこれが例の櫻の精だったのです。
愛しい恋人の敵と、女ながらに黒主との大立ち廻り。実際に錦絵(にしきえ)にもなっている名場面が沢山!!
大曲ではありますが、踊る錦絵、じっくりと江戸の歌舞伎舞踊の匂いをご堪能頂きたいですね。
イベント情報
- 日時
- 終了|2017/05/27(土)14:00〜
- 場所
-
国立劇場 大劇場
東京都千代田区隼町4-1
- アクセス
-
■地下鉄をご利用の場合
半蔵門線 半蔵門駅 下車、1番出口から 徒歩 約5分
有楽町線/半蔵門線/南北線 永田町駅 下車、4番出口から 徒歩 約8分
■バスをご利用の場合
都営バス 都03(晴海埠頭-四谷駅)
宿75(新宿駅西口-三宅坂)
三宅坂 下車 徒歩 約1分
■お車をご利用の場合
駐車場有
終演まで 普通車 500円
バス 1200円
- 費用
-
1等A席 8,200円/1等B席 5,100円/2等席 3,100円/3等席 1,500円
学生 1等A席 5,700円/1等B席 3,600円/2等席 2,200円/3等席 1,100円
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